当院の体外受精培養室について
体外受精培養室とは、卵巣から取り出した卵子、ご主人からお預かりした精子、受精卵を管理する専用の部屋です。体外受精の治療成績に直結する、とても大切な場所です。特別なトレーニングを受け、胚培養士という資格を持った技師が作業にあたっています。
体外受精培養室の機器紹介
① ステーション
卵巣から取り出したばかりの卵子を観察するためのステーションです。温度、ガス濃度が卵子にとって最適な状態になるよう、当院ではアステック社製のステーションを導入しています。
② 培養器
受精卵を育てる最も大切な機器です。
出来るだけ女性の体内と同じ環境になるように温度、ガス濃度がコンピューターで設定されています。 患者さんごとに受精卵を器械内の別々の場所で培養(個室培養)することにより、極力、受精卵を空気に触れさせないようにしています。 受精卵はできるだけ空気に触れない方がいいため、当院はすべて個室培養を行っています。
たとえばAさんの受精卵を培養器から取り出すときに、個室培養ならBさんの受精卵は空気に触れることがありません。
また培養器には最新の「タイムラプス培養器(Geri)」を導入しています。 タイムラプス培養器にはデジタルカメラが内蔵されているため、受精卵を培養器から取り出さずに(空気に触れさせず)、受精卵の観察が可能となっています。
③ 倒立顕微鏡
卵子、精子、受精卵は非常に小さいため肉眼では見ることができません。倒立顕微鏡をもちいて観察や顕微授精を行います。
また顕微鏡に取り付けたレーザー装置を用いることにより、アシストハッチングや着床前検査など、レーザーが必要な治療などにも倒立顕微鏡を用います。
当院の体外受精培養室はクリーンルーム、紫外線カットの照明です。
受精卵をお預かりする環境は綺麗で清潔なところでなくてはなりません。
当院の体外受精培養室はクリーンルーム設計でISOクラス6、F.Sクラス1,000と、培養室として最高レベルの清浄度となっています。
空調専門メーカーのダイキン工業株式会社に依頼し、定期的に清浄度測定を行っています。
空調機
体外受精培養室内を循環している空気はHEPAフィルターが入っている空調機を通しています。HEPAフィルターとは空気中のゴミや埃を取り除く特別なエアフィルターです。また空気の流れを人工的に作り出し、室内を清潔に保っています。
照明器具
受精卵は紫外線に弱いため、体外受精培養室では紫外線カットの照明器具を使用し、受精卵によりやさしい環境となっています。
体外受精培養室を見学しませんか?
当院の体外受精培養室を見学していただけます(予約制)。詳しくは受診の際におたずねください。
- 不妊治療説明会にご出席された患者さんが対象です。
- ご希望の方はスタッフにお申し出ください。
- 見学日時は調整してお伝えします。
- 胚培養士外来でも見学をお受けしています。